リオ+20に向けたインプット案への緊急提言

  • 2011/10/01

緊急提言

 

来年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催される「リオ+20 地球サミット2012」に向けて、国連事務局では、成果文書の素案検討の際の参考とするため、国連加盟国政府と加盟国各層に対して文書によるインプットの募集を行っています。(提出期限 2011年11月1日)。それに対して日本では、国内準備委員会が招集され3回の会合を開催し検討を踏まえ、インプット案を作成しています。

 

国内準備委員会インプット案

 

日本は昨年秋に開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の議長国を2012年10月にインドで開催される次回締約国会議まで勤めており、この領域に置けるイニシアティブを世界に向けて発揮していく立場にあります。そして市民としてその監視をしていかねばなりません。

 

しかし上記のリオ+20に向けた日本の市民社会からのインプット案に生物多様性の言葉は入っていますが、その概念に対する誤解、さらにはCOP10で決議された地球との最後の約束にすべき「愛知目標(生物多様性条約新戦略計2011-2020)」や、日本の市民が提案し日本政府案としてCOP10で勧告決議をして昨年12月20日に国連総会で採択された「国連生物多様性の10年」の記載がありません。

 

これは生物多様性という概念がいまだ主流化されず、本来は日本人が得意領域とする自然との共生、自然資源が暮らしの基盤であり、それを持続可能に利用するために管理する意識を、改めて認識する課題が先送りされている事を証明する結果となっています。

 

CEPAジャパンは、この準備委員会のメンバーではありませんが、NGO連絡会には参加していますので、その流れを通じ、また準備委員会のメンバーとなっている「地球サミット2012 Japan」の佐藤正弘代表はCEPAジャパンの理事でもある事から、以下の依頼を行うよう働きかけています。

 

生物多様性の保全に関して行動されている多くの方々のご理解をいただき、日本の市民社会から国連生物多様性の10年を強く推進し、2020年に愛知目標の達成を共有する事をリオ+20で確認できるよう、準備を進められるようご協力いただければと思い、ここにこの緊急提言を記載します。

 

また、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)が行う緊急提言にも団体、個人として賛同したことも加えてお伝えします。

 

一般社団法人CEPAジャパン代表 川廷昌弘

 

 

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リオ+20インプット案への提言

 

 

リオ+20国内準備委員会の皆様の、日本からのインプット案の策定に関して経緯を表します。生物多様性条約第10回締約国会議に関わった組織として、下記の通り要素を追加していただきたく、ご検討のほどよろしくお願い致します。

 

2010年10月に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議で、日本政府は議長国として責務を全うし、愛知目標、名古屋議定書の歴史的な採決、さらに日本の市民組織が提案し日本政府案となった国連生物多様性の10年の国連総会での採決と、大きな成果をあげました。日本政府は、来年までの2年間は議長国としてイニシアティブを持って各施策の推進を行わなければなりません。

 

中でも「条約の新戦略計画2011-2020(愛知目標)」の達成のため、この10年をしっかり取り組めるようにCOP10の議長国でありホストNGOとして活動した日本のNGOが働きかけ、日本政府案として提案しCOP10の勧告決議を経て国連総会で採択された「国連生物多様性の10年」を、世界に対して日本が自ら声を上げていく必然があります。

 

そのために、以下の要素をインプット案に挿入していただきたく、お願い申し上げます。

 

1、「生物多様性」という概念が、人類の存続の基盤であり、社会、文化の多様性も支える地域の固有の財産であるという、日本の生物多様性基本法に定められたような理解の上で地球市民が行動するため、

 

 

2、生物多様性条約(CBD)第13条のCEPAを始め、カルタヘナ議定書(MOP)第23条のほか、気候変動枠組条約(UNFCCC)第6条、砂漠化対処条約(UNCCD)第19条のリオ3条約の全てに締約国の義務として記載されている、普及啓発、教育、能力育成、訓練を基礎に置き、

 

 

3、「国連生物多様性の10年」が、自然資源に支えられた持続可能な地域づくりに向けたロードマップであるという共有認識をリオ+20で行い、2013年のポスト京都、2014年のESD最終年、2015年のMDGsの最終年に向けた活動と連携してシナジー効果をあげながら前半を折り返し、世界各地のグッドプラクティスを掘り起こし世界で共有する事が2020年の「愛知目標達成」の大きな力になる事を理解する

 

 

国連生物多様性の10年市民ネットワークCEPAテーマグループ

一般社団法人CEPAジャパン

 

 

 

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