IUCN-CECニュースレター volume51 の紹介
IUCN第5回世界自然保護会議(9月)、生物多様性条約COP11(10月)と相次ぐ国際会議と、CEC委員長の改選などもあり、ニュースレターの発行が遅れていましたが、11月号から発行スタートです。
https://cmsdata.iucn.org/downloads/cec_newsletter_november_2012_1.html
この間に、CECの委員長はキース・ウィーラーさんから、ジュリアン・ツァイドラー(Juliane Zeidler)さんに変わりました。ジュリアンさんとCEC委員長候補として立候補していたナンシー・コレトンさんは副委員長になられました。
前号の紹介時に、CECの活動の方向性が9月に開かれたIUCN第5回世界自然保護会議で決まると書きましたので、ニュースレターの紹介の前にそれを報告したいと思います。
CECはIUCNの4カ年計画に合わせて、CECの4カ年計画をまとめました。ポイントは、①Love Not Loss(危機を語るのではなく、人と自然の素晴らしい関わりを語る)を基本メッセージに据えることになりました。これについては、ぜひ一度Love Not Lossの動画(http://www.youtube.com/watch?v=rrz8nxzo_nw)を見てください。私たちの社会の課題は、自然とのつながりが薄れたことで(Lost a connection with nature)、どうすれば、人々が再び自然に恋するようにできるだろうか(How do we help people falling love again?)と続きます。そしてその答えは、自分ごと化(Personalize)し、暖かみある形で(Humanize)、広く訴える(Publicize)ことであるとしています。
主要目標としては、愛知目標①(遅くとも2020年までに、生物多様性の価値と、それを保全し持続可能に利用するために可能な行動を、人々が認識する。)の達成に貢献すること、IUCNのコミュニケーション能力の向上に協力すること、CECネットワークの拡大と強化、地球課題に自然からの解決策を見いだす(nature-based solution)の4つとなっています。
CEPAジャパンもこの方向性を、日本の視点から加速させ、あるいは、日本の視点からさらに良い方法を提案することが期待されています。
それではニュースレターの内容を紹介します。まず、IUCN第5回世界自然保護会議からのニュース記事が14本あります。
●ジュリアン・ツァイドラーCEC委員長に選出
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?11067/Juliane-Zeidler-elected-CEC-Chair
●CEC運営委員会開催報告
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?11386/CEC-Steering-Committee-meeting-in-Jeju
●CEC委員会合と表彰
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?11402/CEC-members-meeting-and-awards-ceremony
●気候変動をコミュニケーションする
●企業と保全に存在する未来のリーダーについてのパネル討論
●ユースと世代間連携—CECと社会経済政策委員会の取り組み
●ハイレベルコミュニケーションイベントとCECメンバー
●ナミビアユースの自然保護会議での活躍
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?10739/Namibian-Youth-at-WCC
●世界各地のこどもと自然の関係に関する研究に関する研究の総括
●こどもの「自然欠乏症Nature-deficit disorderに取り組む
●専門用語を使わないコミュニケーションキャンペーン ワースローの事例
●CECメンバーがIUCN名誉会員に選出
●世界自然保護会議 UKからの視点
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?11406/Congress-from-the-UK-perspective
私が注目したのは「世界各地のこどもと自然の関係に関する研究の総括」と「こどもの自然欠乏症に取り組む」という記事です。The Children & Nature Network (C&NN)という団体が、世界各地でこどもが自然や地域社会との関わりが失われつつある様子を世界各地の研究をまとめる中で明らかにした報告書が紹介されています。IUCNの決議でも自然とふれあう権利が子供にあるという決議をまとめました。
2010年のCOP10から始まった「Love not Loss(危機ではなくて希望を語ろう)」について3本の記事があります。
●キャンペーンへのお誘い
●フィルムをシェア
●CECのLove not Lossがフィルムフェスティバルを受賞
インド・ハイデラバードで開かれたCBD-COP11の記事も4本あります。
●国連生物多様性会議で、ラブストーリを共有
www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?11411/CEC-video-Love-Not-Loss-wins-film-festival-prize
●COP11サイドイベント報告“生物多様性のコミュニケーション”ラブストーリーの語り方
●COP11 自然保護ソーシャルマーケティングの明るい材料をCEPAフェアが提供
●インド環境教育センター(CEE)が生物多様性のポジティブアクションに関するワークショップを開催
ESD(持続可能な開発のための教育)についての記事が3本です。(うち1本はスペイン語)
●ティビリシ声明 生物多様性の課題に取り組むための教育を提言
●国連持続可能な開発のための教育の10年に関する調査 期待と課題
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?11385/Survey-on-UNDESD-hopes-and-challenges
●環境教育:三つ以上の根を持つ木(スペイン語記事)
3つの戦略的コミュニケーションに関する記事(うち1本はスペイン語)
●メディア活動:コロンビアの国立公園(スペイン語記事)
●写真が語る物語:アラスカ保護区の目の前で行われる掘削
●ETVネパール 毎日8時間自然保護を報道する
その他のトピック
●農村管理研究所 緑のオフィスを実施
●アンデスの水 IUCN-CECメンバーの取り組み
●政策決定者に向けたレポート 生態系を守ることは社会に利益をもたらす
●南・東南アジアの動物園水族館が生物多様性の10年を支援
その他、ガイドラインの評価や気候変動に関する映像コンペの募集などがあります。
以上
このニュースレター紹介は、海外CEPA動向調査のために、地球環境基金の助成を受けて配信しております。