IUCN-CECニュースレター volume50 の紹介
これからIUCN-CECニュースレターをご紹介していきたいと思います。今号は、volume50(2012年8月号)です。ニュースレターの内容を紹介していく前にIUCN-CECとは何かいま一度ご紹介したいと思います。
https://cmsdata.iucn.org/downloads/cec_newsletter_august_congress_2012.html
IUCN-CEC(以下、CEC)とは、IUCNの6つある専門委員会の一つで、教育コミュニケーション委員会(Commission on Education and Communication)の略です。設立は1949年(IUCNの設立は1948年)で、6つの委員会の中でも最も古い委員会になり(レッドリスト作成を担っている種の保存委員会SSCよりも古い!)、現在1050人くらいの専門家がボランティアで所属されています。生物多様性条約事務局のUNDB(国連生物多様性の10年)の推進チームのトップ・ディビットアインズワースさんもCECメンバーであるなど、この分野の世界的キーパーソンが所属している委員会です。
CECは、コミュニケーション・環境教育・知識管理(ノレッジマネジメント)という専門的知識・経験などの面で、IUCN事務局や会員の活動を支えている組織です。ちなみにCEPAジャパンが訳した生物多様性条約CEPAツールキットもCECが制作したものです。
CECは、「Love. Not Loss、危機ではなく、自然への愛を伝えよう。」というスローガンを掲げて活動をしています。CECの今後の活動の方向性は、これから紹介する世界自然保護会議で議論されています。それについては次号でご紹介したいと思っています。
それでは2012年8月号を紹介していきます。今号では、9月に韓国済州島で開催された第5回世界自然保護会議(WCC)についての記事が6本あります。
●「教育コミュニケーション委員会会合(CEC Commission Members’ Meetingでは、9月6日開催予定の専門委員会会合の紹介がされています。
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?10718/CEC-Commission-Members-Meeting
●「CEC選挙候補者−IUCN理事会2013−2016役員選出(CEC candidates for election to the IUCN Council 2013-16 )では、選挙が予定されているCECの新しい委員長候補が紹介されています。
●「CECメンバーが自然保護会議について知っておくべきことWhat CEC members need to know about Congress」では、WCC参加予定者向けの情報がまとめられています(イベントや、交流スペースの紹介)。
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?10717/What-CEC-members-need-to-know-about-Congress
●会議期間中にCECによる表彰が行われる予定です「4つの表彰が済州島でお披露目予定Four CEC awards to be presented in Jeju」。
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?10689/Four-CEC-awards-to-be-presented-in-Jeju
●CEC関連イベントは「期間中のCEC関連イベントスケジュールCEC-related events at Congress: Daily schedule」をご覧ください。
http://www.iucn.org/about/union/commissions/cec/?10715/CEC-related-events-at-Congress-Daily-schedule
●世界自然保護会議のイベントのうち、conservation campusだけは事前登録性なのでご注意ください(Conservation Campus offers 46 training sessions: Register now!)。
CECに所属する日本人は、今井麻希子さんと、道家哲平さんが参加されました。お二人の現地レポートは「にじゅうまるプロジェクトの国際会議レポート−愛知ターゲットの世界動向—」に掲載されています。
http://bd20.jp/category/conference/
さて、世界自然保護会議に向けてCEC委員から3本記事が寄稿されています。うち英語の記事二本の中身は以下のようなものです。
一つは、LEADからの報告。LEADが国際的な非営利組織で、今回はコンサベーションキャンパスで、LEADが開発したオンラインの学習コース(e-learning)を体験することができます。
もう一つは若い世代向けのプログラムを紹介する記事です「IUCNプログラムに若い人々を巻き込む:済州島とその先へ(Integrating young people in the IUCN Programme: Jeju and beyond)」。CECには「世代間パートナーシップに関するタスクフォースThe Task Force on Intergenerational Partnership」が出来ており、ユースの参画の加速に取組んでいます。IUCN決議も提起されています(決議番号008と、132)。
その他の記事は9つあります。
●CECとユースと環境ヨーロッパの再結合:Reconnecting CEC and YEE, Youth and Environment Europe
●ビアンカ・ジャガー(plant a pledge 大使 人権基金会長)、IUCNとエアバスが自然再生を呼びかける「Plant ad Pledge(約束を植えよう)」キャンペーンを立ち上げるBianca Jagger, IUCN and Airbus launch Plant a Pledge campaign
●ゴリア(Gouraya)国立公園における人と野生動物の衝突Conflit animal-homme au Parc National du Gouraya
●野外学習の効果的なアプローチに関する欧州会議European Conference on Effective Approaches to Outdoor Learning
●ティブリシから35年。環境教育の歩みを記念して Tbilisi+35 celebrates an environmental education milestone
●ウクライナにおける生物多様性保全に向けた能力育成Building capacity for biodiversity conservation in Ukraine
●電源のない家を建ててみた−CEC編集者が共有してくれた物語 Building a Passive House: CEC Editor shares a story
●「本当に私たちは環境のことを大事にしているか?」オンライン調査結果よりOnline survey asks “Do we really care about the environment?”
●雇用に関するナイジェリアのネイチャーケアプロジェクトNature Care Projectの強化のための緑の図書館Green library to enhance Nigeria’s Nature Cares project on employability
ピックアップ紹介:「CECとユースと環境ヨーロッパの再結合」は、IUCN—CECのヨーロッパ副委員長が、1983年から活動を続ける環境学習と保全のための国際ユース連盟(International Youth Federation for Environmental Studies and Conservation)の欧州支部にあたるYouth and Environment Europa(YEE:欧州ユースと環境)に招待され、連携の可能性について議論を行なったという記事です。本文中には、IUCNがユースをどのように巻き込もうとしているかが丁寧にまとめられています。
以上
このニュースレター紹介は、海外CEPA動向調査のために、地球環境基金の助成を受けて配信しております。